ブリティッシュ・エアウェイズ 239便でボストンローガン空港へ到着後,入国審査へ向かいます。
元々22時50分到着予定だったのが1時間30分近く遅延して24時を超えた到着になったため,既に他の便からの入国者がいなかったこと,ファーストクラスの搭乗であったため最初の方に降機できたこともあり,入国審査のレーンには乗客集団の中では早く着くことができました。
私が並んでいたレーンはグローバルエントリーとの同時並行で処理されていて,そのレーンを担当していた白人の中年男性の入国審査官はグローバルエントリーの入国者から先に捌いていき,その人たちが捌けた後に他の入国者をブースに呼び込む運用にしていました。
私の番が来るとブースに呼ばれ,訪米の目的や滞在日数を聞かれました。
正直に旅行目的で1泊であることを伝えると,急に彼の顔相が険しくなりました。前月にニューヨークに同じく1泊3日で旅行したときの入国審査官は同様の内容を聞いても,ふーん,と言いながら (手元のスマートフォンでポケモンGoと思われるゲームをしながら)入国させてくれたのですが,この日の入国審査官はそうは簡単に入国させてくれませんでした。
パスポートをスキャンすると前回の入国記録が彼の手元のパソコンに表示されるのでしょうか。前回の入国はいつか,どこに行ったのか,その時の目的は何なのか事細かに聞いてきました。
前回の入国は先月で,ニューヨークに入国したこと,その時も旅行であったと答えると,なんでそんなに短いのか,旅行の目的は何なのか聞いてきました。
自分は飛行機が好きなので前回の旅行はJALの最新鋭機に乗るためだけであり,今回の旅行の目的もブリティッシュ・エアウェイズのファーストクラスへの搭乗であること,職業柄中々長期の休みが取りにくいのだということを説明しました。
ただ,相手はそれでも納得しなかったようで,ボストンでの宿泊予約がわかるものや帰りの航空券の提示を要求してきたため,それに応じてiPhoneのヒルトンのアプリで予約画面を見せたり,帰りのe-ticket控えを提示しました。
しかしながらそれでもこの入国審査官は納得せず,米国に知人や家族はいるのか,結婚はしているのかなどと根掘り葉掘り聞いてきます。もちろんどちらも答えはNoなので正直に答えていきます。
結局それでもその場で入国許可は得られず,トランシーバーでどこかと連絡を取った後,ブースの近くで待機するように言われました。
10分前後待機の後,私と同じく入国審査で待ったを掛けられた数名と一緒に受託手荷物受け取り所の横にある大部屋に連れられていきました。
中はカウンターがあり,質素な椅子が並べられていて,先客がチラホラといました。幸いにして私はその部屋に入るとすぐに呼ばれたので,彼らがどのような尋問を受けていたのかを知ることはできませんでした。
私の場合は,30代くらいの白人女性から再度先程と同じような内容の質問をされたので,同じ内容で繰り返したところ,"OK"とあっさり入国が認められました。
深夜の閑散とした時間帯であったため,入国に要した時間は別室送りになった時間も含めて30-40分程度といったところでしょうか。ただ非常に緊張したことは言うまでもありません。杞憂でしたが入国拒否されたら明日のフライトまでどこで過ごすのだろうと気が気でなかったです。
入国して空港直結のヒルトンのマークを見た時には疲れがドッと沸いてきました。
米国への一人旅の女性の入国が難しいと最近よく言われますが,一人旅の男性も程度の差こそあれ怪しまれることはありそうです。
あくまでの個人的な印象ですが,米国の入国審査で重要なこと,必要なことは,
入国審査官の英語を理解するだけの英語力
専門的な議論をする訳ではないので,必要な単語,文法は簡単なものでだけです。普段一人で英語圏の旅行ができる人なら聴き取り能力が問題になることはないと思います。
入国の目的や旅程などを簡潔に伝える英語力
上記と被りますが,自分の入国目的を簡潔な単語を使って,単純な文章で伝える能力も重要です。
矛盾した発言,嘘を言わない
嘘を言わないのは当然ですが,記憶違いで過去の入国歴を間違って言ってしまうことはあり得ます。時間が掛かってもよいので正確に記憶を辿って答えるようにしてください。どうしてもというときは,As far as I can recall, ...などと弁解の余地のあるフレーズを入れてもいいかもしれません。
余計なことを言わない
英語が堪能な方は別として,聞かれた質問には端的に答え,余計な尾ひれをつけた回答はしない方が無難です。
苛立たない
疑われてしまったのは仕方のないことですし,入国審査官も仕事でやっているのです (疑いを掛ける対象の選び方に多少彼らの偏見がありそうな気もしますが)。苛立って声を荒げたりしては彼らの印象を無駄に悪くしてしまいます。仏の心で対応しましょう。
諦めない
観光にせよ仕事にせよ,何か目的があって米国への航空機に搭乗したのだと思います。入国したいという意思を持って根気よく自分の状況を平易な英語で説明しましょう。
(お酒好き限定) 機内で飲み過ぎない
(お酒をそれなりに嗜まれる方限定ですが)長距離フライトなのでお酒も進むかと思いますが,到着数時間前からは少し控えめにしましょう。呂律が回っておらず千鳥足で入国審査に臨むのはお勧めしません (笑)。
こんな冷や汗ものの入国審査を乗り越えて辿り着いたボストンの街はとても綺麗ですし,ロブスターロールもロブスター蒸しも美味しかったです。また行きたいですが,次も別室送りになったらイヤなのでしばらくは間隔をあけようと思います。